今ブログでもお馴染みのスマート農業です。本日はスマート農業の補助金制度についてご紹介したいと思います。
先端技術を活用することで日本の農業現場が抱える課題を解決すべく、農林水産省はスマート農業の導入を強く推進しています。
サービスやシステム、関連機器も次々開発されており、省力化・効率化、作業負担の軽減のためにスマート農業の導入を具体的に検討している農家の方は多いのではないでしょうか。
しかし、スマート農業の導入には資金がかかるのも事実です。そこで今回は、資金準備の一助となり得る、スマート農業を支援する補助金制度について、2020年度の実績をベースに解説します。
ではさっそく補助金についてご紹介していきましょう
【国の補助金制度】
下記の制度はすでに募集が終了していますが、今後、補助金制度を利用する際の検討材料として活用してください。
目次
概要:農業機械の自動走行など、生産性の飛躍的な向上につながる先端ロボットを農業現場へ導入するための安全性確保策のルールづくりを推進する事業です。次の1.か2.に該当する取り組みを支援します。
1.ドローン等小型の無人航空機による空中散布に関する安全性確保策の検討
2.ロボット農機に関する安全性確保策の検討・遠隔監視によるロボット農機の自動走行の実現に向けた検証
対象経費:直接経費(備品費、事業費、旅費、謝金、人件費、委託費、役務費、雑役務費)および一般管理費
上限金額・助成額:
1. 1,500万1,000円
2. 5,053万4,000円
補助率:定額
出典:農林水産省「令和2年度スマート農業総合推進対策事業のうち農林水産業におけるロボット技術安全性確保策検討事業に係る公募について」
概要:データ駆動型農業を実践した施設園芸(スマートグリーンハウス)への転換の促進を目的とした事業です。転換に取り組んだ産地でノウハウを取りまとめ、全国的に波及させるための取り組みを支援します。
対象経費:備品費、賃金など、事業費、旅費、謝金、委託費、役務費、雑役務費
上限金額・助成額:7,000万円
補助率:定額
出典:農林水産省「令和2年度次世代につなぐ営農体系確立支援事業のうちデータ駆動型農業(スマートグリーンハウス展開推進)の公募について」
概要:農地土壌の劣化が農業生産の持続性向上にとって喫緊の課題となっていることを踏まえ、科学的データに基づく土づくりを推進する環境を整備するため、土づくりのイノベーションの実装を加速化する取り組みを支援する事業です。
対象経費:備品費、事業費、旅費、謝金、人件費・委託費・役務費・雑役務費
上限金額・助成額:500万円
補助率:1/2
出典:農林水産省「令和2年度における「スマート農業総合推進対策事業のうちデータ駆動型土づくり推進事業」の公募について」
【地方自治体の補助金制度】
概要:労働時間削減や労働負荷軽減を目的としたスマート農業機械等の産地実証及び円滑な実証実施に向けたスマート農業技術習得の取り組みを支援します。
対象経費:機器購入費、報償費、委託費、使用料及び賃借料、研修費、報償費
上限金額・助成額:
産地実証に対する支援/労働時間削減等の就業環境改善の実証に要する経費…1/3以内
技術習得に対する支援…スマート農業技術習得に要する経費:定額
補助率:1/3以内
出典:宮城県「令和2年度スマート農業による働き方改革産地実証事業の第3回公募について」
概要:町単位で広域化した集落営農組合やその構成団体が、広大な農地を管理する場合にスマート農業を導入することで、農作業を省力化するとともに効率化することにより、農業のさらなる振興と農地の適切な管理につなげる事業です。
対象経費:1. リモコン式自走草刈機等の導入 2. 水管理システムの導入
上限金額・助成額:300万円
補助率:事業に要する経費の50%以内
出典:神戸市「令和2年度スマート農業導入支援事業の募集を行います」
概要:浜松市におけるスマート農業の普及促進と農家の所得向上や農業産出額の向上を図り、「もうかる農業」を実現させるため、認定農業者による先進的栽培技術設備などの購入に補助金を支給します。
対象経費:
1. 高度な環境制御による栽培施設システムの導入補助
2. 環境測定装置の導入補助、ロボット技術を活用した機械の導入補助
3. 検証提案型技術の導入補助
4. 国県等で開発又は検証している技術の導入補助
5. その他の先進栽培技術等の導入補助(先進性が認められるもの)
※原則、農林水産省の「スマート農業技術カタログ」に掲載されている機器は補助対象。
上限金額・助成額:600万円
補助率:1/2以内
出典:浜松市「【令和2年度】浜松市スマート農業推進事業費補助金の募集について」
概要:白河市内在住の認定農業者や認定新規就農者などを対象に、農作業の効率化や負担軽減のために、ICT機器及びロボット技術の導入にかかる費用に対して、その一部を補助します。
対象経費:
1. 農業技術の向上や生産の効率化に資するICT機器・ロボット技術導入に要する経費
2. ICT機器及びロボット技術利用に要する経費(通信費は除く)
※該当する機器は農林水産省「スマート農業技術カタログ」を参照してください。
上限金額・助成額:100万円
補助率:事業費の1/2
出典:白河市「農業の未来をつくるスマート農業推進事業補助金」
いかがだったでしょうか。
補助金制度も地方自治体によっても変わるのがよく分かりましたね。。
国の補助金は、各省庁が8月ごろに来年度の概算要求を提出し、9月末ごろに次年度の補助金について発表される傾向にあります。
なお、補助金情報は概算のため、その後、変更されることもあるので注意が必要です。補正予算で補助金が設けられる場合もあるので、農林水産省のホームページを定期的に確認しておきましょう。